入院リハビリテーションHospitalization
当院における地域包括ケア病床
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地域包括ケア病床(病棟)は、その地域(資源)で形作られていく*1地域包括ケアシステムの一端を担っています。*2ポストアキュート、*3サブアキュート、糖尿病教育入院、*4レスパイトなどの周辺機能があり、在宅・生活復帰支援の役割を持ちます。入院中から院内や地域内の多職種が協働して、退院後の在宅・生活復帰を目指し支援するものです。入床期間は60日が限度となります。
*2急性期後における治療やリハビリが必要な場合 *3骨折や肺炎など急性軽症疾患の緊急入院 *4介護している家族の休息のための入院*1 地域包括ケアシステム
人口減少が進む中、団塊の世代が75歳以上となる2025年以降に向けて、地域包括ケアシステム(地域の包括的な支援・サービス提供体制)の構築が目指されています。重度な要介護状態であっても住み慣れた地域で暮らし続けていけるよう住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されることを目指しています。
リハビリテーションの体制
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・個別の運動療法です
・基本的に時間を開けて2回行います
・専従担当と副担当が行います
地域包括ケア病床におけるリハビリテーションと支援
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関節可動域運動や筋力増強運動、住環境に合わせた動作練習を行っていき、退院に向けて日常生活動作の獲得を目指します。カンファレンスでは、退院支援の看護師や医療ソーシャルワーカーと連携し、リハビリの進捗状況、住環境調整、今後の方向性、在宅復帰や退院後の支援などについて協議します。必要に応じてリハビリの見学も行い、ご家族やケアマネジャーとも検討します。また、当院の訪問リハビリと連携して、退院後より訪問リハビリを始める事もあります。
リハビリテーションと支援の内容
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生活動作練習は、住環境を聴取し、ご自宅に近い環境で行うようにしています。入浴動作など特定の動きだけでなく、家の中での歩き、家事や生活上の物をとる動作、ベランダを跨ぐなど生活上のちょっとした動作も練習しています。また、回復途中におけるバランスに対し、適応して頂く目的もあります。
- ●運動療法
- 筋力増強運動・関節可動域運動・動作中のバランス運動など
- ●日常生活動作練習
- 玄関や階段などを見据えた段差昇降練習~車の乗降練習など実際の現場での練習ではないですが、自信をつけて頂いております。炊事動作においては、整形疾患においても不安がる方が多いので、イメージを持って頂くようにしております。
- ●自主トレーニング指導
- ベッドに運動方法を示した絵を貼り、時間を分けて行って頂きます。
- ●住環境整備の提案
- 介護保険サービスによる住宅福祉機器のレンタルなど:玄関・上がり框・トイレ・風呂・生活で動く範囲の手すりや段差解消など、布団からベッドへの変更の提案
- ●退院前訪問指導
- 退院前にご自宅に訪問し住環境調査・自宅における動作評価。
- ●退院後訪問指導
- 退院後に看護師が訪問し身体や生活状況を確認。
- ●リハビリ見学・家族面談
- 家族・ケアマネジャー・福祉機器担当者らに対してリハビリ見学と理学療法士からの状況説明。
- ●カンファレンス
- ・リハビリテーションの進捗や状態の共有(医師・看護師・医療ソーシャルワーカー)
・住環境整備の提案(介護サービスによる住宅福祉機器のレンタル
・入院中の動作レベルや介助方法の注意点、促進強化項目の共有
・退院調整(退院支援の看護師や医療ソーシャルワーカー)
・退院後のサポートの検討(介護保険サービス・訪問看護)
・訪問リハビリの検討(当院に事業所あり)
リハビリから退院まで
住環境問診票
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1.玄関まで 段差の高さ( )cm
2.上がり框 段差の高さ( )cm
3.浴室出入り 段差の高さ( )cm
4.バスタブ 高さと深さ( )cm
5.トイレ 便差の高さ( )cm
急性期病棟について
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急性期リハビリテーションとは
人工膝関節、人工股関節術後、骨折術後の整形外科疾患を中心に手術後の早い段階から身体機能を低下させないようにリハビリテーションを開始します。また内科、外科などの疾患にも対応しています。
当院の特色
急性期病棟には理学療法士が6名在籍しております。毎週整形外科カンファレンスを実施しており、医師・看護師と情報交換を行っております。他職種との情報を共有し、連携を密にとり、安心して入院生活を送っていただけるようにサポートさせていただきます。継続的なリハビリがひつような場合、医師の判断によって地域包括病棟に転棟、又は回復期病院に転院となります。
対象疾患
運動器リハビリテーションを中心脳血管疾患等リハビリテーション、呼吸器(肺炎等)リハビリテーションが可能です。患者様の状態によりどのようなリハビリテーションが必要かは異なり医師がその必要性を判断させていただきます。
リハビリのスケジュール
●人工膝関節置換術後
入院→入院日に理学療法士が状態を把握→手術→手術3日目から車椅子に乗る練習、リハビリを開始→退院(3~4週間)→必要に応じて地域包括転院、外来リハビリテーションを実施
術後3日目よりリハビリを開始 平行棒内歩行練習開始
術後4日目より歩行器を利用した歩行練習開始
術後8日目~14日目より杖歩行練習
術後15日目~術後21日目階段昇降 屋外歩行練習 日常生活動作
●人工股関節置換術後
入院→手術→手術3日目から車椅子に乗る練習、リハビリを開始→退院(3週間~4週間)→必要に応じて地域包括病棟転棟、外来リハビリテーションを実施
●腰部疾患手術後
入院→手術→術翌日よりベッド上にてリハビリ開始→手術3日目から車椅子に乗る練習開始→退院→必要に応じて外来リハビリテーションを実施
●前十字靭帯断裂再建術後
入院→松葉杖練習→手術→術翌日よりリハビリ開始→退院→外来リハビリテーションを実施
自主トレーニング
人工膝関節 術前・術後トレーニング
1.大腿四頭筋 setting
膝裏を真下に押し付け5秒間保持後力を抜きます。
2.下肢伸展挙上
片側の膝を立て反対側の膝を伸ばしたまま
30cm程持ち上げ降ろします。
3.膝関節伸展運動
椅子に座り、あしが一直線になるように
膝をまっすぐ伸ばします。ゆっくりとあしを下ろし元にもどします。